イトヒキアジとはどんな魚?

イトヒキアジ(糸引鰺)は、その名の通り、背びれや腹びれが長く糸のように伸びる見た目が特徴的な魚です。見た目の美しさから、観賞魚としても人気がありますが、実は味も非常に良く、食用魚としての評価も高い魚です。

分類としてはスズキ目アジ科に属し、南日本を中心に広く分布。特に九州や沖縄地方、伊豆諸島などの暖かい海域でよく獲れる魚です。成魚になると体長は1メートルを超えることもあり、釣り人にとっても人気のターゲットになっています。

ただし、一般的なスーパーではあまり見かけることがなく、地元の市場や釣りで入手することが多いため、食べたことがない人も多いかもしれません。
しかし、調理のコツを押さえれば、刺身や焼き物、煮付け、揚げ物と万能に使える美味しい魚です。

この記事では、イトヒキアジの食べ方について、部位別・調理法別に詳しく解説していきます。


イトヒキアジは食べられるの?味は?

結論から言うと、イトヒキアジは非常に美味しい魚です。特に新鮮なものは刺身で食べると、クセのない上品な旨味とやわらかい身質を楽しめます。

味の特徴:

  • 身はやや水分が多く、柔らかくねっとりした食感

  • 鮮度が良ければ、上質なアジやヒラマサに近い旨味

  • 熱を通すと身が引き締まり、ふっくらとした白身魚らしい仕上がり

地域によっては「クサイ」「味が落ちる」といった声もありますが、これは鮮度管理ができていない場合が多く、釣りたて・締めたてのものを正しく処理すれば、その美味しさを十分に引き出すことができます。


刺身|新鮮ならまずは生食が絶品

イトヒキアジは白身でクセがなく、刺身で食べるのが一番おいしいと言われています。

刺身でのおすすめポイント:

  • 皮を引いた後の身は透明感のある白色で美しい

  • 食感はややねっとりしていて、ヒラメやカンパチに近い

  • 醤油、ポン酢、ごま油+塩など、さまざまな薬味と合う

刺身にする際のコツ:

  • 鮮度が命。釣ったらすぐ血抜き・神経締めで処理

  • 1〜2日冷蔵熟成させると旨味が増す(寝かせ刺し)

  • 背側と腹側で味が少し異なるため、部位ごとの切り分けもおすすめ

脂が多くないため、こってりした味を求める人には、ごまダレやユッケ風の味付けが向いています。


塩焼き・バター焼き|身の旨味を引き出す王道調理

刺身で楽しんだあとのあらや切り身部分は、塩焼きやバター焼きに最適です。

塩焼きのポイント:

  • 魚の水分が多いため、焼く前に軽く塩をふって15分置き、余分な水分を出す

  • 中火〜弱火でじっくり焼くと、皮目が香ばしく、身がふっくら

  • 大根おろしやレモンでシンプルにいただくのが◎

バター焼きアレンジ:

  • フライパンにバター+にんにくを熱し、切り身を焼くだけ

  • 白ワインや醤油を加えれば、洋風の一品にも変化

  • マッシュポテトやレモンソースとの相性も抜群

白身魚の風味を活かしつつ、香ばしさをプラスできる焼き調理は、初心者でも失敗しにくい方法です。


フライ・唐揚げ|クセが少ないからこそ、揚げ物がうまい

イトヒキアジは脂のりが控えめなため、フライや唐揚げなど、油を使った調理が非常に合います。

フライにするなら:

  • 三枚おろしにして、骨を取り除く

  • 塩・こしょう+小麦粉・卵・パン粉で衣をつける

  • 180度の油で2〜3分、きつね色にカラッと揚げる

タルタルソースやレモン、ウスターソースとの相性も良く、子どもにも人気のメニューになります。

唐揚げ・竜田揚げ:

  • 一口サイズに切り、醤油・酒・生姜・にんにくで下味

  • 片栗粉をまぶして揚げれば、外はカリッと、中はふっくら

  • お弁当のおかずにもぴったり

揚げ物にすることで、食感が引き締まり、臭みも一切感じなくなるため、鮮度が少し落ちた場合の調理にもおすすめです。


煮付け・潮汁|あらも無駄なく使えるのがイトヒキアジの魅力

大きな魚なので、骨・頭・中骨なども立派でダシがよく出るのがイトヒキアジの特徴です。

煮付け:

  • 醤油・みりん・酒・砂糖でシンプルに煮付けると、身がふっくらして味がよく染みる

  • 生姜や梅干しを加えると、臭み消しとさっぱり感アップ

  • 切り身でも、あらでも美味しくできる万能調理法

潮汁(うしおじる):

  • アラを軽く湯引きしてから、水+酒+塩でシンプルに煮る

  • 旨味が強く出るので、だし不要で深みのある味わいに

  • ネギや柚子皮などを添えると、風味が引き立ちます

大きな魚は捨てる部分が多いと思われがちですが、イトヒキアジはあらも非常に美味しいため、まるごと活用しましょう。


保存方法とおすすめの調理順

イトヒキアジのような大型魚を丸ごと入手した場合は、計画的に部位ごとに使い分けると無駄がありません。

1. 当日〜翌日:刺身

→ 一番鮮度の良い状態で生食

2. 翌日〜2日目:焼き物や揚げ物

→ 少し寝かせて旨味アップ。食感も安定。

3. 3日目以降:煮付け・潮汁

→ 少し鮮度が落ちても問題なし。旨味が出る料理に。

また、下処理後に冷凍保存も可能です。

  • 刺身用:皮を引いてラップ+密閉で冷凍

  • 切り身・あら:水気をふき、調味液に漬けて冷凍

  • あら:湯引きしてから冷凍すると風味を保ちやすい

冷凍後は1〜2週間以内を目安に使い切るのがおすすめです。


まとめ:イトヒキアジは知る人ぞ知る、優秀な食用魚!

イトヒキアジは、見た目がユニークでなじみが薄い魚かもしれませんが、正しく扱えばどんな料理にも応用できる万能白身魚です。

  • 刺身にすれば、上品な旨味と食感が楽しめる

  • 焼き物やフライにすれば、クセがなく万人受け

  • あらもダシが出るので、煮付けや汁物に最適

釣りで手に入れたときや、市場で見かけたときにはぜひ試してみてください。
鮮度を保つ処理と、部位ごとの適切な調理法を知っていれば、イトヒキアジはご家庭でも十分美味しく食べられます。

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